[ここ「ラボ」ができる前(2000年頃)、メモ代わりに運用していた「電気仕掛けの箱庭」の記事を移転・一部現在にあわせて改変。]
このページにアクセスしている人は、インターネットをすでに利用しているはずだから、プロバイダという言葉の説明は不用かもしれないけれど、アクセスプロバイダという言葉に対して、プレゼンスプロバイダという言葉がそのうち後の方の項目ででてくるので、ここでアクセスプロバイダに関して少々の説明を。
企業や学校から専用線でアクセスしている人(最近では自宅からも専用線でアクセスする人もでてきましたが)を除いて、普通の人が、インターネットにアクセスする場合、プロバイダと呼ばれる接続業者を利用するのが常です。このような、インターネットに接続するためのサービスを提供してくれる事業者をアクセスプロバイダといいます。日本では一般にプロバイダといった場合、このアクセスプロバイダを意味して使うことがほとんどです。
利用形態は、以下の図のように、自宅にある自分のパソコンから、電話回線を利用しプロバイダのサーバーを介して、インターネットに接続するといった形になります。どうしてこんなめんどくさいことをしなくてはいけないのでしょうか。自宅の電話回線がxインターネットに繋がっていれば、プロバイダにお金を払うこともなく、月々の出費を抑えることが出来ます。
現在では、電話回線を介することはなく、光ファイバーを介する接続方法が主流になってきました。
当然いくつかの理由があるのですが、まず電話回線とインターネットの回線は、全く別物で、その中を行き来している情報の規格(プロトコル)も全く違います。難しい技術的な話は私も知らないのですが。
それでは、プロバイダを利用しなくては行けない理由は何でしょうか。一番の理由はインターネットの規格によります。インターネットの規格によれば、ネットに接続するコンピューターは全て異なるID番号のようなものを割り当てられていなくては行けません。この番号のことを、IPアドレスというのですが、この番号が必ず必要です。この番号なしにアクセスしようと思えば出来ないことはないですが、確実にトラブルの元です。このIPアドレスは個人ではなく、パソコンを認識するために必要なのですが、無限にあるわけではありません。
この番号は、256.256.256.256のように3桁の数字を4つならべたものですが、それぞれの数字の範囲は0〜256です。つまり、IPアドレスは無限ではなく、数に限りがあるということです。そのため、全世界全てのパソコン一台づつに割り当てるわけには行きません。より多くのコンピューターを認識できるよう現在の新しいIPアドレスのシステムの導入が検討はされていますが、先の話です。
で、個人がインターネットにアクセスする時も当然、このIPアドレスが必要です。アクセスプロバイダではこのIPアドレスを、ユーザーのマシンに一時的に割り振ってくれます。一時的というのは、各アクセスプロバイダが持っているIPアドレスも数に限りがあるので、ユーザーがネットにアクセスしている間だけIPアドレスを割り振るからです。IPアドレスは、そのプロバイダのユーザー全員で使い回すのが普通で、そのため、アクセスするたびに、各自のパソコンのIPアドレスは違うのが割り当てられます。これはその時空いているIPアドレスが自動的に割り振られるからです。
また、各コンピューターは、このIPアドレスの他に、ドメイネームなるものも名乗らなくては行けません。ドメイネームというのは、人間にわかりやすいように、数字だけでなくアルファベットなどの文字の羅列になっているものです。インターネットの規格上、ドメイネームはなくても問題なく動くのですが、IPアドレスに対応するドメインネームがないと、怪しいマシン、挙動不審なマシンと見られることも多く、あるに越したことはありません。これを設定してくれるのが、ドメインネームサーバーなるものなのですが、普通は、このサーバーはアクセスプロバイダが要してくれます。
メールを利用するなら、受信用のサーバーと発信用のメールサーバーを用意しなくてはいけませんし、ホームページを作るためには、HTTPサーバーを用意しなくてはいけません。アクセスプロバイダはこれらのものを、一般の人に代わって提供してくれます。そんなわけで、プロバイダは必要なのです。