[ここ「ラボ」ができる前(2000年頃)、メモ代わりに運用していた「電気仕掛けの箱庭」の記事を移転・一部現在にあわせて改変。]
“一個一個、鉛筆と紙を使って手作りで”というのは冗談で、もちろんパソコンで制作しているのですが、使用しているマシンは、主にMacintoshです。使用しているソフトは、『JEDT(ジェイ・エディット)』と呼ばれるエディタソフトといくつかのグラフィックソフトです。
エディタソフトというのは、ホームページを作るためのソフトではなくて、ワープロを簡易化したような、文章を入力修正するためのソフトです。MSワードなどのワープロのようにプリンタに出力したときにきれいになるようなレイアウト機能やフォント機能、またその他の様々な機能がないかわりに、文章入力に特化していて、シンプルで軽いのが特徴です(ただし、最近のエディタは、パソコンの高性能化に合わせていろんな機能を持つようになりました)。マックでは標準でOSについてくる『SimpleText』、ウインドウズだと『メモ帳』のようなものです。
このソフトは、ホームページを初めて作ったときからお世話になっていて、その時は、ヴァージョン1でフリーウエアでした。現在はシェアウエアになりましたが、ヴァージョン3まで進化しました。ワープロではなくて、エディタを使う理由は、ワープロに比べて軽い(動作が速い)ということと、TEXTファイルを直接加工できるので、サーバーにアップする前に、ワープロを使ったときのようにいちいち‘テキストで保存’としなくても良いと言うこと。
またエディタソフトの中で、特にこのソフト使う理由は、このソフトが最初から、三つの日本語の文字コードと、三つの改行コードをサポートしていたから。今では、他にも、サポートするエディタがでてきましたが、当時はこれだけでした。ずっと使っているので、今では手放せないソフトの一つです。
また、ウインドウズマシンでページを書くこともあって、その時は『秀丸エディタ』と呼ばれるエディタソフトを愛用しています。これも、上記の文字コードをサポートしていて、便利で軽いのが理由です。
日本語には、めんどくさいことに三つの文字コードが存在していて、これを認識できる(開いたり保存したり出来る)ソフトは、ページを制作する際に大変便利なのです。英語圏では、BBedit(Mac用です)と呼ばれる、名作エディタソフトがあり、ほとんどの人がページ制作の際利用していますが、日本でこれがあまり使われないのは、日本語の文字コードを認識できないからでしょう。
グラフィックソフトは、CANVASというドロー系のソフトと、PHOTOSHOPと呼ばれるレタッチ系ソフトを使用しています。両ソフト共にホームページを制作するために購入したわけではないので、高機能なのですが定価は高く、これじゃないとページが作れないと言うわけではないので、是非にとおすすめはしませんが、便利ではあります。両ソフト共に、古いバージョンの時に、購入したのでかなり安く値引きされていました。PHOTOSHOPは、台湾製スキャナにフルヴァージョンがバンドルでついてきたものです。
制作しようとするページによりますが、グラフィックソフトは必ずページ制作に必要というわけではありません。でも、例えば写真を載せるページを作ろうと思っているのなら、フォトレタッチ系と呼ばれるペイントソフトがあると大変便利です。写真をトリミングしたり、ページに合わせて大きさを変えたりと、いろんなことに重宝します。PHOTOSHOPはその最たるものですが、写真をトリミングしたり、ページに合わせて大きさを変えたりするだけなら、こんな高機能なソフトはいりません。安いものでは、ウインドウズならPaintShopなど、またPHOTOSHOPの簡易版であるPHOTOSHOP LEや、PHOTO DELUXEでも充分です。探せばフリーウエアにもあると思います。また、ページにスキーム(模式図)や地図などを載せるつもりなら、ドロー系のソフトを持っていると便利です。グラフィックソフトは、JPEGとGIFが扱えれば便利ですが、扱えなくても、画像の形式を変換してくれるソフトがフリーウエアで多くで回っているので、それを組み合わせればいいでしょう。
【フォトレタッチ系のソフトは写真やペイント系のイラストに強い】
【ドロー系のソフトはイラストやスキームに強い】
HTML自体は、エディタソフトで書いているのですが、ホームページ制作ソフトというものに興味がなかったわけではありません。エディタソフトは、その見栄えを確認するのに必ずブラウザソフトで確認しなければなりません。そうしないと、どんな塩梅なのかがわからないからです。またいちいちタグと呼ばれる命令文を書き込まなくてはならず、ホームページ制作ソフトの方が便利なのでは、という思いは常々持っていました。そのためいくつか試したことがあります。
でも結論は、“これじゃダメだ”というものでした。一番の問題は、オリジナルのHTMLのタグを勝手に書き直してしまうということ。HTMLのタグの書き方には、個人で癖があるわけで、それを、ホームページ制作ソフトは勝手に書き換えてしまいます。それも正しいタグになるのならまだしも、とんでもないタグに変わることもしばしば。でもマクロメディアのDreamWeaverというソフトは、その点は改善されていて、オリジナルの文章を勝手に書き換えないのですが、いかんせんソフト自体が重い。それに、この程度のならそらんじて書ける、というのが昔の印象でした。ただ、2000年に発売中のヴァージョン3は、お試し版で使った限りでは結構良かったです。値段も今、キャンペーン価格で、それなりにこなれているし、FIREWORKSというグラフィックソフト付きのSTUDIOヴァージョンもあるので、結構いいかも。ソフト評論家のインプレッションでは、DreamWeaverはちょっと初心者には難しく、ある程度ページ制作に慣れた人が合っている、というのが多いので、ビギナーに絶対おすすめというものではないようですが。
経験からいうと、ホームページ制作ソフトは、タグを知らない時に、最初から、つまり、HTMLの書き方に変な癖がついていない段階から使用するなら上記のような問題は関係ないので、よいという感じです。切り貼り感覚でページが作れますし、非常に簡単にページが作れます。また、ページ制作ソフトは、非常に高度なこともできる様になっているので、それらの機能だけを使用するというのもいいかもしれません。
いろいろ書きましたが、いろんなソフトをそろえなくても、とりあえずテキストエディタさえあれば、ホームページは作れてしまいます。すなわち、マックやウインドウズに標準で付属のソフトで、作れてしまうということです。画像などは、フリーものを使うこともできますし、いまでは、多くのフリー素材が、ネットのページ上にあふれています。上記のグラフィックソフトを使って、画像ファイルを加工したり、作ったりするノウハウと、ホームページを作って、サーバーに載っけて、みんなに見れるようにするノウハウは、別のものなので、今手持ちのソフトを組み合わせて、とりあえずページを作ってみるというのも、良いと思います。